id記載の削除等

増田での個人攻撃の度が過ぎる - U.G.R.R.にて言及したはてな匿名ダイアリーの記事「まともなフェミニストはこれをどう思うの」が消えたことに伴い、上記拙記事中のid記載を削除した(おって本記事へのリンクを追加する)。

また、上記拙記事の注3に「前掲注1参照。」とあったのは「前掲注2参照。」の誤りであるため、そのように訂正した。

憲法の役割とリベラル(3)

憲法によって国家権力を制限し国民の権利を保障する」ということの理解を助けるため、「踏絵法」という架空の法律の成立を仮定し、その内容について説明してきました

さて踏絵法施行下において踏絵検査が実施され、検査を拒否したAが起訴されました。すでに見たとおり踏絵法は検査を拒否した者に罰金を科すると規定しているのですから、普通に考えればAには罰金が科せられることとなりそうです。しかしここで裁判所は違憲審査権*1を行使し、「踏絵検査を拒否した者に罰金を科する旨を定める踏絵法の規定は、思想・良心の自由を定めた憲法19条に違反し無効である」と判断しました。この結果、Aには無罪判決が下されることとなったのです。

もちろんこれは一例にすぎませんが、「憲法によって国家権力を制限し国民の権利を保障する」とは、こういうことです。国民国家を前提として社会生活を営む以上*2国民は国家の定める一定の規範に服せざるを得ず、憲法は国家機関たる国会に規範定立の権限を与えています*3。したがって本来、国会でしかるべき手続を経て成立した法律は、 国民をしばる力を持ちます。しかし国民の権利を保障するため、そのような法律によってもしばることのできないラインや、そのラインを守らせるための仕組みをも、憲法は同時に用意しているのです。(続く)

*1:憲法76条1項、同条3項、81条、98条1項、99条。特に「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」とする81条に着目してください。

*2:この点についてはいずれ詳論することになるでしょう。

*3:憲法41条。

増田での個人攻撃の度が過ぎる

はじめに

いや本当に酷い。

以下のはてな匿名ダイアリー(通称「増田」)の記事とそれに対する反応の話。

まともなフェミニストはこれをどう思うの

はてなブックマーク - まともなフェミニストはこれをどう思うの

ネットリンチ的なふるまいはやめましょう

まずは「反応」の方について簡単にふれておきますが、これ書いてて恥ずかしくないんですか、人として。

「アホ」「バカ」「ゴミ」「マジキチ」……ここぞとばかりに個人に対して罵詈雑言を投げつける。直接的な文言を用いていないものも、その過半は個人を愚弄する趣旨であり、残りも記事の主張を無批判に前提とした意味のない批判がほとんど。

あなた方の行為はきわめてネットリンチ的ですよ。大多数はいい年した大人なんでしょうから、もう少し節度を持ってください。なお、「ネットリンチ」や「意味のない批判」等については以下の記事を参照。

ネットリンチについて - U.G.R.R.

しかし酷い増田だ

で、こうした反応を引き起こした元凶が増田の記事なわけだけれども、この人、よくこの内容を増田で書けましたね。

それを増田で言うんですか 

これ、要するに「糞フェミたち」(削除済み*1の過去の言動を問題にしているわけでしょう。

お前たちは今こう言うが、過去にこう言っていたじゃないか、と。

いや、それを増田で言うんですか。

増田での個人攻撃を批判していると、たまにはてなidも匿名だし同じことじゃないか、と言う方がいます。

そのとおり、たしかにはてなidも匿名ではあります。しかしたとえ匿名でも継続的に運用することによって、当該idの人格と言動とはひもづけられます。言動に対して一定の責任をとるだけの仕組みが確保されており、その点で増田の記事とは大きく異なるのです。

今回の件などはその最も分かりやすい例でしょう。

いま気の毒にも増田の記事で名指されている方々は、まさに自身の過去の言動ゆえに攻撃を受けています。これによってはてなユーザー間での評価が下がるといったこともありえるでしょう。実際はてなブックマークコメントの中には、名指された方々を非表示リストに入れる旨を示唆するものもあります。いま名指されている方々は、自身の言動についてこのような形できちんと責任を引き受けているのです。

ひるがえって、増田の記事はどうでしょうか。どのidが書いたかも分からない増田の記事ですから、当然過去の言動について検証され、批判されることはありません。また今回の記事自体も、都合が悪くなれば消してしまえばそれまで。自身のidへの評価など一切気にする必要はありません。言動についてまったく責任を引き受けずにすむのです。

つまり今回の増田記事が行っているのは、自らは過去(に限らず一切)の言動についてなんら責任を問われない場に身をおきつつ、標的の過去の言動についてあれこれ論難する、という行為にほかなりません。端的に言って恥知らずだと私は思います。

単なる規約違反者のくせに偉そうだな 

そしてこれはブックマークコメントでも書いたことですが、そもそもの問題としてはてなは、増田で本人が望まない形での言及を行うのは基本的にいやがらせ・迷惑行為であるとしています*2

言うまでもなく、いやがらせ・迷惑行為ははてな利用規約違反です。つまり名指された方々が望んでいない場合、今回の増田の記事を書いた人は、単なる規約違反者なのです。規約違反者がどのツラさげて他人様を糾弾するのか、という意見が一向に出てこないのは少々不思議な気がします。

以前にも紹介しましたが、増田の記事については「言及された当事者から削除の申し立てがあった場合、発信者への意見照会を経ずに削除を行う」 とのルールが運用されています*3。被害にあわれた方はどんどん申立てを行って削除していくとよいと思います。

おわりに

それにしても増田からの個人攻撃は多すぎる。

実は本記事を作成するにあたって、増田での個人攻撃がどの程度行われているか簡単に確認してみました。10月以降かつ10ブックマーク以上のもの、さらに1つのツリーに収まる場合は元記事以外を省略する、という条件でもこれだけの記事が見つかりました。

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冒頭に掲げた増田記事もあわせて8本。きわめて大雑把な確認なので遺漏もあるかもしれません。少なくとも2日に1度のペースで、増田からなされた個人攻撃がそれなりに世間の注目を集めているのです。このような状況は大変不健全だと思います。

先ほど増田による個人攻撃の被害にあわれた方はどんどん申立てを行って削除していくとよいと述べました。これは特にいわゆる「フェミ叩き」に対して有効だと思います。というのも、第一に「フェミ叩き」では標的とされる方がおおむね一定であり、被害者の側において削除申立てをルーティンとして気軽に行いやすいから。そして第二に標的の選定や文体等から、攻撃者はさほど多くないと推測されるからです。増田記事の削除を受けたにもかかわらず同様の行為を続けた場合、はてなのサービス全体の利用停止も含めた厳しい措置がとられる可能性もあります。サクサク申立てを続けていけば、少なくとも「フェミ叩き」系の個人攻撃は、意外と早期に撲滅できるのではないでしょうか。

被害を受けた方のご負担になりうることなので難しいところですが、1つの見解として聞いていただけると幸いです。

*1:丸括弧内のid名は今後の経過によって削除する場合があります。

*2:http://labo.hatenastaff.com/entry/2014/09/04/182358

*3:前掲注2参照。

憲法の役割とリベラル(2)

世の中の多くの場面において問題とされているのは立憲的意味の憲法であり、この意味での憲法は国家権力を制限し国民の権利を保障することをその役割としている、と述べました

さて、「憲法によって国家権力を制限し国民の権利を保障する」ということについてイメージを持てない人もいると思うので、少しかみくだいて説明します。

日本国憲法は第三章で国民の基本的人権について規定しているのですが、今回はその中から思想・良心の自由を保障した憲法19条をとりあげてみましょう。

19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

この条文は思想についての沈黙の自由をも保障するものと解されています。このことを前提に、次のような事態を想像してみてください。

国会での審議を経て、「踏絵法」が制定されました。これは、X国をわが国の存立に重大な脅威を及ぼすおそれのある危険国家と位置づけ、X国の政治思想等に共鳴しこれを利するような行為に及ぶ可能性のある者を予め把握するため、日本国内に住所を有するすべての者に対して、1年に1度、X国の政治的象徴たるPの肖像を足蹴にできるかどうかを確認する「踏絵検査」を受けることを義務づけ、検査を拒否した者には罰金を科する、というものでした。(続く)

憲法の役割とリベラル(1)

憲法の役割とはなにか」ということは単純な知識の問題にすぎず、本来リベラルとの関係で論じるような話題ではないかもしれません。しかし、傾向としてリベラルはこの点をおおむね正しく理解しているのに対し、リベラルを批判する人は必ずしもそうでないように見受けられるため、基本的な前提の確認もかねて説明しておきます。

まず一口に「憲法」といっても、その概念は多義的なものであることに注意する必要があります。ここでその分類について詳細に述べるつもりはありませんが、世の中の多くの場面において問題とされているのは、立憲的意味の憲法です。これは自由主義に基づいて定められた国家の基礎法としての憲法をいうものであり、その趣旨を端的に表しているのが「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない」とするフランス人権宣言16条*1です。

このような立憲的意味の憲法においては、国家権力を制限して広く国民の権利を保障することが、憲法の役割とされます。国家権力を憲法によって制限し国民の権利を保障しようとする「立憲主義」という考え方は、安保法制をめぐる国会審議が続く中、平成27年6月4日の衆議院憲法審査会において憲法学者の長谷部恭男らが言及したのを機に広く知られるようになったので、ご存知の方も多いと思います。(続く)

*1:http://ch-gender.jp/wp/?page_id=385

カテゴリ「わたリベ」について

「わたリベ」は、「わたしのかんがえたリベラル」の略です。

すでに述べたとおり、このカテゴリはわたしが「この程度は共有しておいてほしい」と思うような基礎知識について扱う記事のために設けたものです。最初は「基礎知識」や「憲法」といったカテゴリにしようかとも思ったのですが、それではほとんど基本書そのままの内容とならざるを得ず、あまりにもつまらないため「わたリベ」としました。ここで唐突にリベラルが出てくるのは、わたしが伝えたい基礎知識の多くがリベラルの基本的な考え方と関連しているように思われたからです。

もっとも、リベラルについて書くことは簡単ではありません。それは第一にわたし自身の立ち位置がリベラルとも言い切れないから。そして第二にリベラルが、哲学、法学、社会学政治学、あるいはそうした理論から離れた社会運動といった多くの分野に関係するものだからです。わたしは司法試験に合格しており法学についてはある程度精通していると言ってよいでしょうが、それ以外の分野については教養程度の知識しかありません。

リベラルとも言い切れず関係する分野の知識も完全でないわたしが書くものですから、当然そこで描かれるリベラル像は単なるわたしの妄想かもしれません。「わたしのかんがえたリベラル」というのは、そういう意味です。

本ブログの今後の運営方針等

  • これからは「この程度は共有しておいてほしい」と思うような基礎知識についても、本ブログで伝えていくことにしました。こうした基礎知識を扱う記事については、なるべく多くの方に共有してもらうため、できるだけ文字数を少なくするよう心がけようと思っています。おってこうした記事用の新カテゴリ「わたリベ」を設ける予定です。飽きっぽいのでどれだけ続くか分かりませんが、なんとか年内くらいはもたせたいです。
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