選挙期間中に虚偽と思われる選挙情勢を喧伝していた人物
引き続き選挙に関連して。
選挙期間中、tyokorataという人物が以下のようなコメントを残していた。
もう、むりくり自民disしても、流れは既に……。姫路十区と十一区、投票相手がダブルスコアでは済まないレベル。姫路って、2年前の民主→自民オセロを西日本で最初に食い止めた場所なのに……。
まず、「姫路十区と十一区」という表現が誤っている。そのような選挙区は存在しない。
この人物が言いたかったのは、「兵庫10区と11区」であろうか。
しかし、兵庫10区は姫路を含む選挙区ではない*1。また、2年前に行われた第46回衆議院選挙において、兵庫10区で当選したのは、自由民主党の渡海紀三朗である*2。
したがって、この人物のいう「姫路十区」とは、兵庫10区のことではなく、姫路を含む選挙区であって、当時民主党に所属していた山口つよしが当選した兵庫12区*3のことであると解することにする。
さてそうすると、この人物は「2年前の選挙では民主党が健闘した兵庫11区と12区でさえ、自民党候補がダブルスコア以上の大差で有利に選挙戦を進めている」と述べていることになる。
しかし、これは虚偽である。
まず今回兵庫12区で当選したのは無所属となった山口つよしであり、自民党候補ではない*4。この点については、山口が自民への入党を求めており*5、また山口が7万7654票、2位の候補が4万2664票とほぼダブルスコアの結果であったことから、酌量の余地もある。ただし、この結果は単純に山口つよしという「人物」が強いことを示すものであって、党勢と絡めて論じるのは不適当である旨、指摘しておく。
さて、問題は兵庫11区である。11区の当選者は松本剛明。民主党の候補である。投開票まで約1週間という時期にダブルスコアで負けている候補が、当日になって逆転勝利を収めるなどということは通常考えられない。tyokorataの「投票相手がダブルスコアで済まないレベル」 という摘示は、明らかな虚偽といってよいだろう。
選挙期間中に、虚偽の選挙情勢を喧伝することは、投票に重大な影響を及ぼしかねない。大変悪質な行為であると考え、ここに記すものである。