読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

京都朝鮮学校襲撃事件――事件篇

雑記
本記事について

今月9日、京都朝鮮学園が、ヘイトスピーチによる街宣活動で授業を妨害されたなどとして、在特会とその会員らに対して損害賠償などを求めた裁判で、最高裁在特会側の上告を棄却し、在特会側に約1200万円の賠償を命じた判決が確定した*1

この事件については、ヘイトスピーチに対する損害賠償が認められた、というような抽象的なまとめ方をされることが多く、具体的にどのような行為がなされていたのかという点にはあまり注目が集まっていないように思える。

そこで本記事では、確定した判決をもとに、この事件においていかなる行為がなされたのかを簡単に紹介する。判決で認定されたのは、大別して以下の3つの示威活動及びそれぞれの映像のインターネット上での公開である。詳細については、各自で判決文*2を確認していただきたい。

 

第1の示威活動 

第1の示威活動(以下「示威活動1」という。)は、在特会会員ら11人によって、平成21年12月4日(金)午後1時ごろから約50分にわたり、京都の朝鮮学校(以下「本件学校」という。)南門前の公道及び同公道を隔てた公園(以下「本件公園」という。)において行われたものである。

示威活動1では、授業中であるにもかかわらず、11人が、肉声ばかりでなく拡声器も用いつつ、以下のような怒声を間断なく浴びせかけた*3

「戦争中、男手がいないとこから、女の人をレイプして奪ったのがこの土地」

「犯罪者に教育された子ども」

「朝鮮やくざ」

朝鮮学校、こんなものはぶっ壊せ」

また彼らは、本件公園に設置されていた本件学校の所有するスピーカーの電源コードを切断したうえ、スピーカーを取り外して本件学校の南門まで移動させ、同じく本件公園に置いてあったサッカーゴール及び朝礼台を本件学校の南門まで移動させるなどの有形力の行使も行っている。

 

第2の示威活動

第2の示威活動(以下「示威活動2」という。)は、在特会会員ら約30人が、平成22年1月14日(木)午後2時20分ごろから午後4時30分ごろまでの間、本件公園に集結したうえ、本件学校周辺を行進するなどしたものである。

示威活動2では、約30人が、まず本件公園に集合し演説を行ったのち、本件学校の周辺道路で、幟、拡声器や街宣車を用いて、以下のような発言を繰り返し、またこれに賛意を表するための怒号をあげるなどした。

「不逞な朝鮮人を日本から叩き出せ」

「ここに働く括弧付き教師についても単なる北朝鮮のもっとも優れた工作員である」

朝鮮人を保健所で処分しろ」

「犬の方が賢い」

 

第3の示威活動

第3の示威活動(以下「示威活動3」という。)は、在特会会員ら多数の参加者が、平成22年3月28日(日)午後3時30分ごろから午後5時ごろまでの間、本件公園から本件学校の近くまで行進するなどしたほか、並行して、京都市中京区の四条河原町近辺において、在特会に批判的な集団に街頭で対抗するデモを行ったものである。

示威活動3のうち本件学校付近での行進は、これに先立つ同年3月22日、 京都地方裁判所より本件学校の北門中心点から半径200メートルの範囲での示威活動等を禁止する仮処分決定がなされていたにもかかわらず、数十人によって、本件学校の北門中心点から約100メートル離れた地点まで続けられた。同行進では、幟、拡声器や街宣車を用いて、以下のような発言が繰り返され、またこれに賛意を表するための怒号などもあげられた。

「ゴキブリ、ウジ虫、朝鮮半島へ帰れ―」

「京都をキムチの匂いに、まみれさせてはいけない」

「ゴキブリ朝鮮人、とっとと失せろ―」

朝鮮学校は、自分たちの悪行を棚に上げ、ひたすら差別だ、涙の被害者面で事実をねじ曲げようと(した。こうしたやり方は)不逞朝鮮人の伝統芸能である」

示威活動3のうち四条河原町近辺における対抗デモでは、十数人が、拡声器を用いて、以下のような発言を行うなどした。

「ここを朝鮮総連の連中がデモ行進を行います……日本人を拉致した拉致犯人なんですよ」

朝鮮学校というのは、朝鮮総連が実は拉致犯人のようなスパイを仕立て上げる学校です」 

*1:ヘイトスピーチ:在特会の賠償確定 最高裁が上告棄却 - 毎日新聞

*2:京都地判平成25年10月7日(判時2208号74頁)、大阪高判平成26年7月8日(判時2232号34頁)。

*3:なお、ここに挙げるものは一部に過ぎない。以降も同様。