稲田先生お気の毒、な事案の可能性はありますがね

以下の記事を読んだ。

稲田朋美防衛相、森友学園の訴訟を担当していた。過去の国会答弁と食い違い

要するに、稲田朋美森友学園の事件を受任したことはないと言っていたところ、同学園の訴訟代理人として稲田朋美が名を連ねている準備書面が出てきた、という話。

正直なところ、事務所事件に所属弁護士全員の名前をずらっと並べるのはよくある。で、実際にはその中の一人が担当弁護士として事件を処理することが多い。他の弁護士は、もちろん同じ事務所なので事実上ある程度事案を知っていたりすることもあるけど、まあ事件を処理する、という感じではまったくない。今回の稲田朋美も、そうした「担当じゃない弁護士」だった可能性はあるだろうし、そうだとすればちょっとお気の毒ですね、とは思う。

ただこれ、平成29年3月13日参院予算委での答弁を確認すると、森友学園の事件を受任したことはないと断言しちゃってるんだね。だとすると、まあそれはそうじゃないんじゃないかなあ、という話になりそう。実際に事件にタッチしていなくとも、建前としては受任しているからこそ準備書面に名を連ねているのであって、それが証拠に、たとえば担当弁護士が急用で出頭できないときや、たいして重要でないときには、準備書面に名を連ねている(担当ではない)事務所の若い勤務弁護士なんかに、かわりに裁判の期日に出てもらったりすることもある。こんなことができるのは曲がりなりにも事件を受任しているからこそであって、事件を受任もしていない者がいきなり期日に出頭することなんてできるはずがない。なので、少なくとも法的には事件を受任していることになるんだろうなあ、と。

まあ、お気の毒ではあるのかもしれないけれど、ちょっとうかつな答弁だったね、という話なのかな。脇が甘いというか。