池袋の事故が騒がれた理由(推測)

かなり下品な話題ではあるのですが、詳しい方がいればご教示いただきたいという気持ちが勝ったので書くことにします。2名が死亡した池袋の事故に関して、きょうもえ(id:kyoumoe)さんの以下の記事に接しました。

「回復を待って逮捕」を知らない人間は普段ニュースを見ていないのでは - 今日も得る物なしZ

記事は、「現行犯逮捕されないのはおかしい」といった類の主張に対して、「回復を待って話を聞く」のはよくあることであると指摘するものです。この指摘はまったくおっしゃるとおりだと思います。

ただ、今回の件がこれほどまでの騒ぎになった原因は、多分そこではないんですよね。きょうもえさんが「上級馬鹿」と揶揄される人たちも、さすがにニュースを見ないということもないでしょうから、単に自身の抱く違和感の根本を自覚できていないだけではないかという気がします。

本件の発端となったニュース記事はこちら。

池袋暴走、ドラレコに音声 87歳男性「あー、どうしたんだろう」同乗の妻の問いに - 毎日新聞

同記事に接したとき、率直に言って私も一瞬わずかに違和感を抱きました。冒頭部分を引用します*1

19日午後0時25分ごろ、……板橋区の無職、飯塚幸三さん(87)の乗用車が……暴走し、……自転車の母と娘2人が死亡、飯塚さんを含む40~90代の男女8人が重軽傷を負った。

ご覧のとおり、暴走車を運転していた男性の氏名が、なぜか「さん」付けで記載されているのです。

たしかに警察が「回復を待って話を聞く」こと自体はよくありますし、そのようなニュースが報じられることも珍しくありません。しかしそうした場合、「話を聞」かれる人物は、「男」や「男性」などとされるのが一般的ではないでしょうか。それが今回は「さん」付けされている。このことが何とはなしに「特別扱い」の印象を与え、しかしそうした印象の出所を明確に自覚できない人たちが、むりやり「現行犯逮捕されないのはおかしい」などといった理屈を後づけで考え出して大騒ぎした、というのが今回の騒動の仕組みでしょう。

ちなみに、ではなぜ今回は「さん」付けされているのか。

私は、いまのところ、その原因は男性の弁解(?)にあるのではないかと考えています。すなわち、暴走車を運転していた男性の「アクセルが戻らなくて」といった弁解(?)から、事故が自動車の不具合に起因する、つまり男性自身も「被害者」である可能性を視野にいれて記事を書いた結果、あのような書きぶりになったのだ、ということです。

もっとも、私はいわゆる「報道のお作法」に詳しくありませんし、特別に調べたりもしていません。なので、「それは違う。その理由はこうだ」と説明できる詳しい方がいれば、ぜひご教示いただきたく思います。

*1:引用者において一部省略し、また太字強調を施しました。