引き続き選挙に関連して。
今回、沖縄の全選挙区で自民候補が敗北したことについて、知事選のために住民票を移す裏工作が影響したのではないかとする主張を複数見かけた。
http://twitter.com/im9d/status/544235935420788736
http://twitter.com/lis_noir/status/544106872161067009
http://b.hatena.ne.jp/Hige2323/20141215#bookmark-235888767
http://b.hatena.ne.jp/nbnr/20141215#bookmark-235888767
知事選で投票できるのは、大づかみに言えば20歳以上で引き続き3か月以上その都道府県内に住所を有する者であり*1、2014年11月16日に投開票が行われた沖縄県知事選挙に投票するためには、選挙人名簿の登録基準日の3か月前である同年7月29日以前に沖縄県内に転入する必要がある*2。
そうだとすれば、2014年7月以前の数か月の県外からの転入者数と2013年7月以前の数か月の県外からの転入者数とを比較し、両者に大きな差がなければ、知事選目的での転入者は無視できる程度にしか存在しえないと言えるはずである。
そこで、沖縄県企画部統計課人口社会統計班作成の「沖縄県の推計人口」のページ*3にあるデータを利用して、2014年3月から7月までの各月の県外からの転入者数と2013年のそれとを比較してみた。その結果は以下のとおりである。
2013年 | 2014年 | |
---|---|---|
3月中の県外からの転入者数 | 4451 | 4752 |
4月中の県外からの転入者数 | 5334 | 4946 |
5月中の県外からの転入者数 | 1911 | 1984 |
6月中の県外からの転入者数 | 1689 | 1833 |
7月中の県外からの転入者数 | 2283 | 2281 |
両者に大きな差は見られず、「裏工作」の主張は陰謀論の類といってよいものと考える。不備があればご指摘いただきたい。