人権とリベラル(1)
自由権とは、公権力による介入を排除して個人の意思決定や活動を保障する人権です。表現の自由や職業選択の自由などがこれにあたります。公権力、つまり国家による介入を拒絶するものであることから、「国家からの自由」とも言われます。
参政権とは、国民が国政に参加する権利であり、選挙権や被選挙権などがこれにあたります。「国家への自由」とも言われます。
社会権とは、個人が人間らしい生活を営めるよう国家に対して積極的な配慮を求める権利です。生存権(最近ドラマでもやっていた「健康で文化的な最低限度の生活」、というアレです)や労働基本権などがこれにあたります。「国家による自由」とも言われます。
ただし、これらすべての人権が最初から認められていたわけではありません。「自由とは、他人を害しないすべてのことをなしうることにある」とするフランス人権宣言第4条*1を見ても分かるように、人権はまず自由権としてスタートを切りました。これは当初、国家による不当な介入を排除しさえすれば、自律した個人による自由競争のうちに社会は発展し、社会全体の福祉も増進すると考えられていたためです。(続く)
*1:http://ch-gender.jp/wp/?page_id=385