2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

川崎市新条例の明確性について

前回に引き続いて、ヘイトスピーチへの対策等を定めた川崎市の新条例*1についてお話しします。今回は、本条例12条の明確性について簡単に検討したいと思います。憲法31条が保障する罪刑法定主義は、刑罰法規が明確であることを要求します。予め罪となるべき…

川崎市新条例はなぜ日本人へのヘイト(笑)を罰しないのか

はじめに 立法に際して注意するべき点 関連法令との整合性 ヘイトスピーチ解消法 川崎市新条例 立法事実 まとめ 本条例の附帯決議について(蛇足) はじめに 前回に引き続いて、ヘイトスピーチへの対策等を定めた川崎市の新条例*1についてお話しします。周知…

川崎市新条例と罰則のない禁止規定について

川崎市で、ヘイトスピーチ等への対策を定めた条例が成立しました。差別根絶条例が成立 全国初、ヘイトスピーチに刑事罰 | 政治・行政 | カナロコ by 神奈川新聞本条例が注目を集めているのは、なんと言っても日本で初めてヘイトスピーチへの刑事罰を規定した…

何人殺すと死刑?

先日、ある事件の被告人が被告人質問において「3人殺すと死刑なので2人までにしておこうと思った」旨供述しているとの報道に接しました。「3人殺すと死刑なので2人までに」 新幹線殺傷、公判で被告 - 毎日新聞どうも誤解があるようなので、死刑の選択基準等…