2021-01-01から1年間の記事一覧

元気でやっております

すっかりご無沙汰をしてしまいました。 もし心配してくださった方がいたら、申し訳ありません。私は元気でやっております。 この1年は、飛躍、というとおこがましいかもしれませんが、自分なりに一歩を進めることができたのではないかと感じています。 今後…

とっつきやすい南京事件論

清水潔『「南京事件」を調査せよ』*1を読みました。 「南京事件」を調査せよ (文春文庫) 本書は、「戦争についてほとんど知らなかった事件記者」である清水が、南京事件について「調査報道」の手法で自ら調べあげた結果等をまとめたものです。 公平に言って…

生活保護と扶養

はじめに 田村発言は何を言っているのか 扶養と生活保護に関して(余談) 扶養義務は義務である 助けあえる家族がいることの重要性 おわりに はじめに 令和3年1月28日参議院予算委員会での小池晃の質問に対する田村憲久厚生労働大臣のセンセーショナルな…

「思想の自由市場」という妄執

はじめに 「思想の自由市場」について 正解は一つ、ではない 「思想の自由市場」という比喩が示唆するもの 自由市場は失敗する 「表現だけは特別扱い」でよいのか 大切でデリケートだから…… 表現は大切なのか 表現はデリケートなのか 萎縮効果について 是正…

障害児への過剰な敵意を解消するために

はじめに 以下の匿名記事に接しました。 加害する障害者をどうすればいいんだよ? 著者の通っていた小学校では養護学校の子と一緒に給食を食べることになっていたが、養護学校の子の一人が誰彼かまわず殴りまくる子で酷い目にあった。責任能力がなく何をやっ…

だからもっと「障害者」の顔をしろ

シロクマ(id:p_shirokuma)さんの以下の記事を読みました。 「TPOのできた発達障害な人でも働きにくい社会」とそのコンセンサス - シロクマの屑籠 昭和時代に比して「大人の発達障害」の職域は狭められているのではないか。その理由は何か 、といったことな…

反「死刑廃止派」のための死刑廃止論

萱野稔人『死刑 その哲学的考察』(ちくま新書、2017年)を読みました。 死刑 その哲学的考察 (ちくま新書) 死刑廃止論についての理解が浅いように思える箇所も多く、決して手放しで評価できるような本ではありませんでした。特に以下の記述などは失笑もの*1…

規範と向き合う

id:dlit さんの以下の記事に接しました。 言語の研究者はことばの規範とどう付き合う(べき)か,についてちょっとだけ - 誰がログ 「言語学は規範的ではない」というのは、おそらく*1そのとおりなのでしょう。というよりも、この種のことは大抵の学問領域で…