安倍を呼び捨てにしたのは誰か

本記事については、一応「デマ・誤情報」のカテゴリに分類したが、現時点(本記事公開時点)では疑惑にとどまることを付記しておく。どなたかの正確な検証を俟つものである。

昨日横浜で行われた集会「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会~戦争・原発・貧困・差別を許さない~」(実行委員会主催)について、産経ニュースが報じていた。記事は、以下のように述べたうえで、雨宮処凛大江健三郎樋口陽一沢地久枝香山リカらの発言を紹介するものであった。

会場には作家の大江健三郎さんら護憲派の人々が3万人以上集まった(主催者発表)。それぞれが安倍晋三首相を「安倍」と呼び捨てで批判し、集団的自衛権反対を訴えた。

【憲法記念日】「すべて安倍のせい」と護憲派が横浜でスパーク 大江健三郎氏「米演説は露骨なウソ」 香山リカ氏「憲法使い切ってない…」(1/3ページ) - 産経ニュース

「それぞれが」「呼び捨てで批判」との記述からは、上記5名全員が安倍晋三を呼び捨てにしたように思える。しかし、私の知る限り、少なくとも樋口と香山は安倍個人に直接的には言及しておらず、したがって安倍を呼び捨てにすることもなかったはずである。

そもそも、公人に言及する際、敬称をつけないことが問題であるとは思えない。その意味で、どうでもよいと言えばどうでもよい話題ではある。しかし、事実ではないことが事実であるかのように読みとれる報道が行われるのはやはり黙認するべきではないだろうと考え、ここに記すものである。