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憲法の学び方

この時期、4月まですることがないという方も一定数いらっしゃるのではないかと思う。そうした方には、この機会に憲法を学ぶことをご提案する。

先日の報道*1を見ても分かるように、ここ数年のうちに国民投票が行われる可能性は低くない*2。責任ある投票をするために憲法を学んでおくのは、意義あることだと思う。

しっかりした先生に教わるあてのある方は、当然その方の下で学ぶのが一番だ。本記事は、学びたいがそうしたあてがないという方に、独学で憲法の基礎を身につける方法をご紹介するものである。

目安として、これから4月まで毎日1時間半、約45時間を費やせば、基礎的なことは身につけられるだろうと思う。 費用としては1万円前後を見込んでいただきたい。

  

憲法を学ぶとは、乱暴に言ってしまえば、

  1. 条文を知り
  2. 判例を知り
  3. それらを体系的に位置づける

ということだ。したがって、憲法を学ぶ方法とは、この3つの事項を達成する方法ということになる。

事項1を達成するために特別に用意すべきものはない。建前としては「六法を買え」と言うべきところなのだろうが、少なくとも憲法の基礎的なところだけを学ぶのであれば、わざわざ六法を購入する必要はない。ネット上で憲法(等)の条文を検索し*3、適宜参照すれば足りる。

事項2を達成するためには、基本的には判例集を買う必要がある。著名なものとしては、長谷部恭男石川健治・宍戸常寿編『憲法判例百選Ⅰ』(有斐閣、第6版、2013年)、長谷部恭男石川健治・宍戸常寿編『憲法判例百選Ⅱ』(有斐閣、第6版、2013年)がある。「百選で判例を読んだ気になるな」とはよく言われるところであるが、少なくとも入門段階ではこれで十分だろう。

事項3を達成するためには、教科書となるものを買う必要がある。最も広く使われているのは、芦部信喜高橋和之補訂)『憲法』(岩波書店、第5版、2011年)だろう。俗に「通説とは芦部説のことである」と言われるほどなので、確かにこれを選んでおけば無難であろうと思う。もうすぐ第6版が出るようだ。

そして、事項1から事項3まですべてに関わることだが、これらを十分に達成するためには問題演習が欠かせない。たとえば、「憲法改正の発議要件は各議院の総議員の3分の2の賛成か出席議員の3分の2の賛成か」などということは、問題として考える機会を与えられなければ見過ごしがちではないだろうか。重要なポイントについて問題として与えられ考えるという過程を経ることによって、理解は深まるものだ。私自身は入門者向けの問題集を用いた経験がないのであまりあてにしないでほしいのだが、書店で何冊か流し読みして比較した限りでは、資格試験研究会編『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 憲法』(実務教育出版、2014年)というのがそれなりの量もあって手頃なのではないかという印象を受けた。

 

以上の書籍*4を用意のうえ、地道に読みこみと演習を続ければ、4月には憲法の基礎的なところは身についているはずである。順序としては、まずは教科書を読みすすめ、文中に判例や条文番号が示されたら都度その判例・条文を確認し、復習として問題演習を行うという流れになろう。

憲法判例百選1 第6版 (別冊ジュリスト 217)

憲法判例百選1 第6版 (別冊ジュリスト 217)

 
憲法判例百選2 第6版 (別冊ジュリスト 218)

憲法判例百選2 第6版 (別冊ジュリスト 218)

 
憲法 第六版

憲法 第六版

 
憲法 第五版

憲法 第五版

 
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 憲法

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 憲法

 

*1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150221/k10015640711000.html

*2:なお、選挙雑感 - U.G.R.R.も参照。

*3:なお、法令の検索には「法令データ提供システム」が便利である。 

*4:計1万円ほどになるはずである。