リベラルも判例*1と同様、基本的人権の保障は、権利の性質上国民のみを対象としているものを除き外国人にも及ぶと考えているけれど、重要なのはどのような人権がどの程度保障されるかということだ、と述べました。
一例として紹介した判例を少し詳しく見てみましょう。これはマクリーンさんという外国人が在留期間の更新を法務大臣に申請したところ、政治活動等を理由に不許可とされたため*2、政治活動の自由は外国人にも憲法上保障されており、これを在留期間更新にあたって消極的な事情として考慮することは許されないのではないか等が問題となった事件です。俗に、「マクリーン事件」と呼ばれています。
この点判例は、基本的には外国人にも政治活動の自由が憲法上保障されているものの、その保障は外国人在留制度のわく内で与えられているにすぎないので、在留期間更新にあたって政治活動を消極的な事情として考慮することは許されるとしました。リベラルの多くは、そのような考慮が外国人の政治活動に与える萎縮効果を懸念して、判例に批判的な立場をとっている(在留期間更新にあたって政治活動を消極的な事情として考慮することは許されないと考えている)ようです。
どのような人権がどの程度保障されるかというのはこういうことで、この判例では、政治活動の自由という人権が、外国人在留制度のわく内という程度で保障される(在留期間更新にあたって消極的事情として考慮されないという保障までは与えられていない)、という判断が示されたわけです。