半年を振りかえって

1年も半分が終わろうとしている。 年始に述べた抱負のうち、曲がりなりにも実践できているのは「丁寧な仕事をする」ことくらいであり、「他業種との交流」「若者との交流」を深めることはほとんどできていない。 ここ1か月ほどは、「丁寧な仕事」をできてい…

京都朝鮮第一初級学校の公園「不法占拠」

私は、確定判決のある事件については、判決文を読んでその事案を把握したような気になってしまう傾向がある。この点については、常々自戒せねばならないと思っているところだ。あくまでも裁判所は事案の解決に必要な限度で事実認定等を行うにすぎない。殊に…

「自由には責任が伴う」

自民党の稲田朋美が、集団的自衛権の問題について違憲かどうかの議論を継続することに意味がないという趣旨の発言をしたそうだ。その理屈は以下のようなものだ。 一見明白に違憲というとき以外は、日本の存立にかかる安全保障については、国会と内閣に任され…

安倍首相の「靖国参拝」観

新しい国の靖国参拝観 安倍晋三『新しい国へ 美しい国へ 完全版』(文春新書、2013年)を読んだ。 新しい国へ 美しい国へ 完全版 (文春新書 903) 作者: 安倍晋三 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2013/01/20 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 2回 この…

約70年越しで実現した平等

横田啓子のベアテ・シロタ・ゴードンに対するインタビュー「私はこうして女性の権利条項を起草した」(井上ひさし・樋口陽一編『『世界』憲法論文選』に収録のもの。初出は『世界』1993年6月号)を読んだ。周知のとおり、ベアテ・シロタ・ゴードンは憲法草案…

カテゴリーの新設等

新たに「死刑」のカテゴリーを設けることにした。 これに伴って、以下の4記事はカテゴリーを変更した。 絞首刑は苦痛が少ないのか - U.G.R.R. 無期懲役のいま - U.G.R.R. 被害者の命と加害者の命 - U.G.R.R. 量刑と被害感情 - U.G.R.R. また、過去記事につい…

報道と法律用語

小説のドラマ化中止裁判でNHKが控訴したという朝日新聞デジタルの記事を読んだ。事件自体に興味はないが、記事中にある以下の表現が気になった。 4月28日に東京地裁であった判決では、「(原作者から)脚本の承認がされていない以上、許諾契約が成立し…

安倍を呼び捨てにしたのは誰か

本記事については、一応「デマ・誤情報」のカテゴリに分類したが、現時点(本記事公開時点)では疑惑にとどまることを付記しておく。どなたかの正確な検証を俟つものである。 昨日横浜で行われた集会「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会~戦争・原発・…

日中韓の歴史問題と謝罪(2)

先日は、「相手が納得するまで(何回でも)謝罪するべき」だとする考え方が、法的責任とは異なる観点から出るものであることについて述べた。 今日は、「当時生まれてさえいなかったわたしが謝罪する必要はない」とする考え方について述べたい。こうした考え…

日中韓の歴史問題と謝罪(1)

今月の初めごろ、韓国高官が、日本との歴史問題に関して、「100回でもわびるべき」だと述べたことが報じられた*1。 また先日は、村上春樹が、日中韓の関係について、「相手が納得するまで謝罪するべきではないか」と述べたことがとりあげられた*2。 今回は、…

量刑と被害感情

以前、死刑廃止論者は自分の愛する者を殺されても死刑に反対するのかという趣旨の問いかけに対し、はてなブックマークコメントで多くの反応が寄せられているのを見かけたのだった。 http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/legalnews_jp/status/5820478918…

違憲審査権と憲法81条との関係

『憲法主義 条文には書かれていない本質』 内山奈月・南野森『憲法主義 条文には書かれていない本質』を読んだ。 憲法主義:条文には書かれていない本質 作者: 内山奈月,南野森 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2014/07/16 メディア: 単行本(ソフトカバ…

ブログのデザインを変更した

ブログのデザインテーマを「Epic」から「Handwriting」に変更してみた。 しばらくはこのデザインでやっていこうと思う。

フェミニズムの怒りに寛容を求めることはできるのか

id:greg_yamada(グレッグ山田)さんの以下の記事を読んだ。 「告発されたときに真摯に対応する」のは非現実的だ - グレッグ山田の文句百万回グレッグ山田さんの記事は、読ませる文章で、しかも考えるきっかけを与えてくれることが多いので、楽しみにしてい…

生活保護の開始申請について

数々の痛ましい事件によって、生活保護の開始申請を受け付けようとしない、いわゆる「水際作戦」が許されないものであるということは多くの人に知られるようになった。 ところで、許されない申請の受付拒否とは、具体的にはどのようなものであるとお考えだろ…

盗撮などで有罪の犯人が「それでも映像は捨てない」と言い張ったら

以前、id:gryphonさんの以下の記事を読んだのだった。 盗撮などで有罪の犯人が「それでも映像は捨てない」と言い張った時、どうなるの? - 見えない道場本舗 記事の内容は、表題どおり「盗撮などで有罪の犯人が映像を捨てないと言い張った場合にどうなるのか…

被害者の命と加害者の命

「被害者の命と加害者の命どちらが大切なのか」 死刑廃止の主張に対して、こうした問いかけがなされることがある。 この問いは、被害者の命と加害者の命との比較衡量を迫るものである。 比較衡量は、基本的には、一方の利益を保護することによって他方の利益…

日弁連の主張はどこまで本気なのだろう

日本弁護士連合会(日弁連)は、誰もがご存知だろう。 しかし、日本弁護士政治連盟(弁政連)についてはご存知でない方も多いのではないか。かくいう私自身、弁政連とは今のところほぼ関わりのない人間であって、本来はこのような話題をとりあげるべき立場で…

憲法の学び方

この時期、4月まですることがないという方も一定数いらっしゃるのではないかと思う。そうした方には、この機会に憲法を学ぶことをご提案する。 先日の報道*1を見ても分かるように、ここ数年のうちに国民投票が行われる可能性は低くない*2。責任ある投票をす…

請求棄却の判決を「門前払い」とは言わない

まったくもってどうでもよいことではあるが、短時間のうちに二度も名前を見かけたので、これも何かの縁だと思って簡単に記しておく。 the_sun_also_risesという人物が、以下のようなコメントを書いていた。 この裁判が馬鹿げたものというのは同意する。この…

「最後の仇討ち」と仇討ち禁止令

高野の仇討ち 赤穂と言えば四十七士の討ち入りで有名である。 ところで、「高野の仇討ち」という事件が日本最後の仇討ちとして喧伝されている*1そうだが、これもまた赤穂の人士が起こしたものらしい。 発端は1862年。当時赤穂藩では、藩主継嗣問題と藩政改革…

無期懲役のいま

無期懲役と仮釈放 わが国では、主刑として死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料が定められている*1。このうち懲役とは、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる自由刑であり*2、無期と有期がある*3。無期とは、刑期が終身にわたるもの、すなわち、受刑者が…

憲法が未完であるということ

奥平康弘先生死去の報に接した*1。 記事では、「憲法はつねに未完であり、世代を超えていきいきとした社会をつくるために憲法は必要なのだ」という先生の言葉が紹介されていた。 憲法が未完であるとはどういう事か。 この点に関して、先生は『未完の憲法』の…

絞首刑は苦痛が少ないのか

絞首刑は苦痛が少ないとする意見を多数見かけた*1。 彼ら(の多く)によれば、絞首刑は「一瞬」で意識を失う「最も苦痛の少ない」死刑の執行方法だというのだが、本当だろうか。判断の一助として、絞首刑の残虐性について判示した大阪地方裁判所平成23年10月…

「黒人差別を扱った」映画2本

下記の2本の映画を見た感想を記す。 ノーマン・ジュイソン監督『夜の大捜査線』(1967年公開) アラン・パーカー監督『ミシシッピー・バーニング』(1988年公開) 内容への言及を含む。 まず、『夜の大捜査線』について。 夜の大捜査線 [DVD] 出版社/メーカ…

ヘイトスピーチ規制によって表現の自由が保護されるという視点

ヘイトスピーチ規制が一面において表現の自由を制約するものであることは紛れもない事実だ。そのため、ヘイトスピーチ規制を認めるか、認めるとしてどのような内容の規制とするべきか、ということについて、私自身態度を決めかねている。 しかし、少なくとも…

リベラルとダブル・スタンダード

リベラルの主張に対する批判類型の1つに、「(リベラルの)ダブル・スタンダードを難ずる」というものがある。「自由や権利の尊重をとなえながら、気に入らない者の自由や権利を抑圧している」という類の批判だ。 まず前提として、こうした批判がされる場合…

今年の抱負

丁寧な仕事をする 他業種(特に福祉関係)との交流を深める 若者との交流を深める 単著も出せれば出したい。 はてなでも、福祉関係の方や若い方がいらっしゃれば、気軽に声をかけていただけると嬉しいです。

京都朝鮮学校襲撃事件――事件篇

本記事について 今月9日、京都朝鮮学園が、ヘイトスピーチによる街宣活動で授業を妨害されたなどとして、在特会とその会員らに対して損害賠償などを求めた裁判で、最高裁が在特会側の上告を棄却し、在特会側に約1200万円の賠償を命じた判決が確定した*1。 こ…

カテゴリーを設けることにした

本ブログにカテゴリーを設けることにした。 「デマ・誤情報」「本・映画」「連絡」「雑記」の4種類。 「デマ・誤情報」は、デマ・誤情報の周知・検証記事。 「本・映画」は、本・映画等の感想・紹介記事。 「連絡」は、本ブログの運営方針等に関する記事。 …

選挙期間中に虚偽と思われる選挙情勢を喧伝していた人物

引き続き選挙に関連して。 選挙期間中、tyokorataという人物が以下のようなコメントを残していた。 もう、むりくり自民disしても、流れは既に……。姫路十区と十一区、投票相手がダブルスコアでは済まないレベル。姫路って、2年前の民主→自民オセロを西日本で…

「辻元さんって在日朝鮮人なんですか?」

引き続き選挙に関連して。 辻元清美が当選した。 暴漢にも負けず! 逆風が吹きまくっていた大阪10区・辻本清美が1位当選できた涙の同情票 - ネタりか 特に思い入れのある人物でもないのだが、公示の前日に、辻元と山本一郎との対談記事を読んで驚いたこと…

自民の沖縄での敗北は知事選のために住民票を移す裏工作の影響だとする主張について

引き続き選挙に関連して。 今回、沖縄の全選挙区で自民候補が敗北したことについて、知事選のために住民票を移す裏工作が影響したのではないかとする主張を複数見かけた。 http://twitter.com/im9d/status/544235935420788736 http://twitter.com/lis_noir/s…

2件の交通事故とその注目度

引き続き選挙に関連して。 くだらない話題でブログを汚すのは気が進まないのだが、誰かが指摘しておく必要はあると思うので記しておく。 今回の選挙期間中、民主陣営の選挙カーが歩行者をはねたと報じられた。 選挙カー、歩行者はねる 仙台、候補者は同乗せ…

選挙雑感

衆議院選挙の結果が出た。 自民は議席を2つ減らし、予想していたよりは伸び悩んだ印象。逆に共産は21議席を獲得し、単独での議案提出が可能となった。大躍進と言ってよいだろう。 沖縄の4選挙区全てにおいて自民が敗北したことも、特記に値する。これは自民…

グローバリゼーションの病弊

フーベルト・ザウパー監督の『ダーウィンの悪夢』(2004年公開)を見た感想を記す。 内容への言及を多く含む。 ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD] 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント 発売日: 2007/07/06 メディア: DVD 購入: 2人 クリック:…

ある黒人兵の涙

エドワード・ズウィック監督の『グローリー』(1989年公開)を見た感想を記す。 内容への言及を多く含む。 グローリー [DVD] 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 発売日: 2010/07/28 メディア: DVD 購入: 2人 クリック: 24回 この商…

大衆の二側面

id:greg_yamada(グレッグ山田)さんの以下の記事を読んだ。 辻元のデマが無くならず、小学生を騙るアホも居なくならない理由 - グレッグ山田の文句百万回 大衆社会の病理をコンパクトかつ分かりやすく指摘した良記事であると思う。 ただ、大衆概念について…